7月/幼稚園は親子の絆を作る時

 ネパール大地震への義捐金のご協力ありがとうございました。合計で4万1686円ものお金が集まりました。募金は、お金を集めるだけの目的ではありません。どうして「募金をするのか?」等の理由を家庭や幼稚園で話すことが大切です。募金を必要とする状況説明をすることで社会情勢や自分の幸せな境遇を確認出来ます。また募金をする為のお手伝い等でお駄賃をもらうことで労働対価についても感じられます。そして家事内容についても確認出来ます。日常的に家事をしてくれるお母さんに対して感謝の念も強くなります。年長組のTくんの「あゆみ」(連絡帳)からです。

帰りのバスから降りるとすぐ「お母さん、外国の地震のお金、ぼくのお小遣いから出してもいい?」。持ち帰ったお手紙を見て、ネパール地震の義捐金のことと分かりました。勿論OKです。先生のお話が心に響いたのですね。早速、自分のお財布からお金を出していました。我が家では、お手伝い1回につき1円のご褒美です。先日やっと貯まったお小遣いで「お父さん、いつも頑張ってくれてありがとう」と缶ビールをプレゼントしたばかりで、いくらも残っていません。「それを出しちゃうと、夏まつりで、おもちゃを買うお金なくなっちゃうよ」という私の言葉を遮り「それでも出したいの!」と息子。翌日、満足そうに募金箱に入れました。

1回1円のお手伝いをいっぱいして貯めたお金をお父さんの為やネパールの人の為に使えるTくんってステキですね。
 龍の子は、小学校が行事等で代休になった時に「お兄ちゃん、お姉ちゃん先生」として受け入れています。Yちゃんは卒園時に隣市に引っ越ししましたが、ずっと休みの度に来園してくれています。そんなYちゃんからお手紙をもらいました。

座光寺先生へ
 お久しぶりです。もう6年生になりました。登校のリーダーや掃除のリーダーなど責任感がある仕事を任されるようになりました。学校の最高学年としてがんばっていきたいと思います。今年、合宿に行けないのは悲しいですが、龍の子幼稚園が新しくなるのはとっても楽しみです。幼稚園児の時も、今も毎回、座光寺先生の手品が大好きでした。新しい手品があったら見てみたいです。

毎年2年生以上も少し受け入れをしている合宿ですが、今年は、園舎建て替え工事の為、年長児と1年生のみとしました。そのことを理解した上で、新園舎が楽しみと言ってもらえて嬉しいです。
 6月6日㈯に父親参観を開催しました。この日は、お父さんと園児での登園でした。普段は、どうしてもお母さんを頼りがちな子どもも、この日はお父さんしかいないのです。お父さんを頼りにします。また頼られるお父さんも、自分しかいないので、いつも以上に一生懸命に我が子と向き合います。まずお父さん達には『父親教室』を40分間受講してもらいました。父と母の役割の違い、母親はどんなことも受け止めてあげる愛情係、父親は背中をそっと押してあげることと、「心のコントロール」が出来るようにする係です。そして「大好きなお父さん」と前頭葉に刷り込ませる為には、身体を使ったダイナミックな遊び(参観会で行った親子運動遊びのような)をいっぱいしてあげることです。親子の関わりも座光寺家の子育て等を実践例に紹介させてもらいました。『父親教室』の後は、親子運動遊びをいっぱいして、父の日のプレゼントを我が子より手渡されて感激の様子。父親になった喜びを実感出来た一日でした。
 その中で紹介した年長組Kちゃんの「あゆみ」(連絡帳)です。

 最近主人の帰りは遅く、その上出張も多くクタクタの様子です。それでも毎朝、小4の奈摘菜、小1の悠翔、采音に「ギュー抱っこ」は欠かしません。我が家の毎朝の日課です。どんなに急いでいても子ども達の名前を呼び、玄関先で「ギューするよ、おいで!!」と手を大きく広げると、子ども達が飛び込んでいきます。2~3分のことです。小4の長女も、未だに何の抵抗もなく、パパの胸に飛び込んで行きます。「今日も元気に頑張るぞー!!」と長女。長男も「パワーをもらうぞ!!」。次女のKもギューしてもらうと恥ずかしそうにケラケラ笑いながら「心がポカポカ♡」と言います。そんな主人の姿を見ていると、私も日頃の疲れが取れ「ホッ」とします。面と向かっては恥ずかしくて言えませんが心の中で「ありがとう」と感謝しています。

 ステキなお父さんですね。今、こうやって関わって前頭前野(ぜんとうぜんや)に「お父さんの存在」を刷り込むことが大切です。いつも関わってくれる「大好きなお父さん」のいう事だから「ダメ」と言われても自分で「心のコントロール」が出来るようになるのです。
 4月末に高校野球静岡県大会を観に行きました。二人の卒園児の活躍する磐田東高の応援です。その時に、お父さんとも話をしました。二人とも在園時代は「おやじの会」のメンバーです。「幼稚園時代にいっぱい関わったから、高校生になっても普通に話ができます」。Hくんのお父さんは毎日自宅でトスバッティングの相手をしているそうです。顔の怪我を指差して「ネット越しだけど顔に打球が当たってね。試合でもこんな風に打ってくれたら…」と嬉しそうに話しました。
 卒園後もずっと親子の関わりを自然に持っているってステキなことですね。プールにフラフープ、縄跳び、マラソン…、出来るようになる為ではなく、「絆作り」の為です。