5月 顔を合わせ目を見てコミュニケーション

 新緑が眩しい季節になりましたね。先月末は、夏の暑さを感じる陽気の日もあれば肌寒さを感じる日もあり、体調管理の難しさを感じました。
5月に入り8日以降の取り扱いとして新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に変更されます。それぞれが『早寝・早起き・朝ご飯』で生活リズムを整え体調管理をして、手洗い・うがいなどの基本的な感染対策を行いながら、日々元気にお子さんと過ごしていきましょう。
 さて昨年2月14日に本園創立記念日を磐田市民文化会館『かたりあ』にて記念講演会を行いました。講師には、浜松学院大学短期大学部 部長 今井昌彦先生(令和5年4月より浜松学院大学・浜松学院大学短期大学部の学長に就任)をお迎えして、ご講演いただきました。会場はとても広く、感染対策も十分取る中で皆さんに直接聴講をしていただくことができました。
今井先生のお話の中で、子育ての基本は扁桃体(へんとうたい)を大きく育てることが大切で、食育が大事!とのこと。特に鮭を食べるといいとのことでした。良い刺激を与えて扁桃体を育てることが幼児期に必要で、信頼をしている大人とのあたたかな関わりと笑顔で扁桃体の神経が活性化されると伺いました。普段から子ども達と『笑顔で目を見て話す』ことを意識していますが、それによって子どもの46野(よんじゅうろくや)が成長するとわかり、より意図的にでもやっていく必要があると思いました。
 自己コントロールや切り替えが苦手な子ども達が増えているとのお話しもあり、改めて目を見て表情を読み取り、言葉をかわすことの大切さを感じました。コミュニケーションのあるやりとり遊びは、やはり昔ながらの遊びの中に多くあると思います。昔ながらといえば、こたつで蜜柑を食べながらトランプやカルタをしながら家族で会話をする、そんな姿が家庭にあったと思います。家族団欒は、子ども達にとってとても大事なものを育てていた大切な家庭の姿だと再確認しました。
 基本的自尊感情を高めてあげるためには、オウム返し(子「〇〇だったんだよ」→大人「〇〇だったんだね」のように子どもが発したことを反復する)をしてあげ感情の共有をしてあげることがとても大事です。特に子どもの感情が動いている時は、倍返しで感情を込めて返してあげる。又、子どもが話したことをしっかりと繰り返してあげると、お話することが大好きな聞き上手な子になるとのこと。日々子ども達と接している中で本当にそうだなと感じていたことでした。少しオーバーなくらいにこちらが感じて表現して返すと、更に子どもは、もっと嬉しくなり、もっとお話ししたくなる、そしてもっとこちらの話も聞きたくなる…そんな姿があります。
 子どもに関わる大人の存在について、近代幼児教育の父と呼ばれた日本の保育・幼児教育を語る上で欠かせない倉橋惣三先生の『子どもにとって一番大切なことは、子どもにとってうれしい人になること!』というお言葉を紹介されました。
 最後に子どもと向き合う保育の現場で働く職員に向けてスライドを用いてエールをくださり、只々感動し涙涙でした。聴講された皆さんにも保育の仕事の素晴らしさが伝わったのではないかと思いました。
 これからコロナ前の生活に少しずつ戻っていきますね。お子さんとのコミュニケーションは親子の信頼関係を築く大切な役割を果たします。お子さんと会話するときは目線を合わせ、目を見て相槌を打ちながら聴き、お子さんの言葉をオウム返し(反復する)をして話してあげてください。進級して1ヵ月のこの時期は特にゆったりと関わる中で、話を聞いてあげてください。話を遮ったりせず、できるだけお子さんが話し始めたその時は絶対に話を聞いてください。親子で会話上手・聴き上手を目指し、親子の絆を育みコミュニケーション力をアップしていきましょう。