4月/大雨の中の運動会

 ご入園、ご進級おめでとうございます。
 「オレンジ」「赤」の帽子を被ったれんげ(年中)さん、「水色」「青」の帽子を被ったひまわり(年長)さんは、とっても誇らしげな顔をしています。一年間一つ上の学年のお兄さん、お姉さんに憧れていましたから、自分がその色の帽子を被ることが出来て大満足なのです。自分もすみれ(年少)の時にれんげさんやひまわりさんに優しく接してもらって嬉しかったから、自分もお世話が出来る立場になったことが嬉しくてたまらないのです。一学年違うだけで、新しい色の帽子を被っただけで、自信と自覚が出来るのが、ずっと続いている龍の子の伝統です。今年のれんげさん、ひまわりさんもきっとすみれさんに優しく丁寧に関わってくれると思います。
 今年度は、園舎建て替えの為に、皆さまにはご迷惑をおかけするかもしれませんが、「園舎建て替え中に在園していて良かった」と思って頂けるよう頑張りますので、ご支援・ご理解をよろしくお願い致します。
 一つひとつの行事も建設業者との打ち合わせをした上で、職員や父母会役員と話し合い「安全」と「子どもの気持ち」を一番に考え進めて参ります。中には、内容を大幅に変更することがあるかも知れません。でもたった一度しか経験出来ない貴重な体験が出来ると前向きに捉えて頂きたいです。
特別で思い出すのが昭和63年の運動会です。その日は、曇り時々小雨という天気予報にも拘わらず、途中で豪雨になり、急遽子どもの種目だけを行なうことにしました。その最後がひまわり(年長児)の龍の子オリンピックでした。三角積木に向かう子ども達に容赦のない雨が襲って来ます。積木の斜面が濡れてすべって、うまく掴めません。すると誰ともなく雑巾を持って積木の回りに集まりました。子どもが1回挑戦する度に、一つの積木に5~6人の父母が雑巾で積木の斜面の水を拭き取ります。また他の父母は、走る通路の水分を雑巾で吸い取っています。積木に手が届く度に大歓声、ひまわり以外は解散を伝えたのですが、誰一人帰りません。誰もが自分に出来ることを考え、実行し、応援しました。そして遂に大雨の中、全員が自力で成功することが出来ました。最後の一人が出来た時は、あちこちで抱き合い涙する保護者の姿がありました。皆、全身ずぶ濡れでしたが、誰もが笑顔でした。
 人生の中で順調にいかないことは必ずあります。むしろその方が多いのかも知れません。今度の園舎建て替えに伴う行事についても例年と違った企画になったら「それを思い切り楽しもう」と思って下さることを願います。
 安全を考慮した上で、工事の節目節目を子ども達に見せていくつもりです。また進捗状況はフェイスブックでも逐一お知らせします。今年度もまた、龍の子スタッフは例年にも増して頑張る決意ですので、よろしくお願い致します。
 
 2号認定児(保育園部)は4月1日より保育が開始されます。今度の子ども子育て新制度では、「保育」と「教育」を区別しています。龍の子でいうと9時より14時は、カリキュラムを立て、子ども達が様々な価値を得る為に実施している時間ですので「幼児教育」時間となります。それ以外の時間、1号認定児(幼稚園児)8時~9時の登園してから幼児教育までの時間と14時~15時までの降園時間、つまり園で預かっている時間はすべて「保育」時間です。2号認定児(保育園部)は7時30分~9時、14時~18時30分が「保育」時間です。
 今までの午前保育、短縮保育としてきましたが、これからは「午前日」「短縮日」と表記するようにします。分かり難くてすみません。うっかり「保育」と言ってしまったら「教育でしょ」と訂正をお願いします。
 幼児期は「教育」というより「保育」の方が適切だとは思います。しかし国が、幼児期にしっかりしたカリキュラムに基づく内容を実施することが大切と気付いたという点では評価できます。表現の仕方はさておき、龍の子が35年間続けてきた内容の濃いカリキュラムを一層深めていく決意です。