3月/繋がる龍の子の卒園児

 3学期は、卒園あるいは各学年修了の準備(個人記録や要録の作成)、個人アルバムの仕上げに加え、新入園の準備、来年度の年間計画策定にかかります。普段の時でも、大忙しの時期ですが、今年は、新園舎建設と制度改正に伴う「こども園」の移行手続き等があり、例年の3倍以上の忙しさです。
 そして、この時期のメインイベントが「はかせ号」の決定です。冬休み中に全員の先生に、ひまわり(年長児)全員のはかせ号を考えてもらいます。それを私と英里子先生とゆかり先生の3人で、決定するのです。私達は、どうしても年長時の印象が強くなってしまいますから、すみれ(年少)やれんげ(年中)の時に関わった先生の言葉は大切です。「入園時に毎日泣いていた〇〇ちゃん…」。『そうだった、そうだった確かに、なかなか裸っぽになれず、泣いていたっけな、今は随分立派な男の子に成長したな』等と一人ひとりの先生の文章を読んでいるだけで感激してしまいます。他にも「給食が苦手で…」「プールが大嫌いで…」等、現在の姿からは想像も出来ない子がいっぱいでした。授与するはかせ号は一つですが、本当は20通りのはかせ号が用意されているのです。担任でない先生や、1~2年目の先生も、ひまわりさん57名全員のはかせ号を書くのですから龍の子幼稚園の先生方は、いかに園全体の子どものことを見ているのか、と改めて感激します。
卒園式は、家族全員が檀上に上って頂き「はかせ号」を授与します。家族全員で支えてくれた3年間、家族全員でもらう「はかせ号」という意味からです。
さて新園舎建設の準備は、さまざまな形で行われています。その一つに卒園児の銘板があります。ゆうぎ室の壁に飾ってある卒園児名です。最近のものは、パソコンにデータが残っているのですが、平成16年以前のものは、データとしては残っていませんでした。そこで昭和56年開園当時から一〇〇〇名弱園児名を入力し直しました。最初は「こりゃ大変なことだ」と思いましたが、入力していると一人ひとりの顔が思い浮かんで来ました。「あっちゃん、楽しい子だったなぁ、もう30歳になるんだ」。「やっちゃん、わんぱくだったなぁ、どんなお父さんになっているかな」と龍の子当時の様子を思い出しながら入力していくと楽しくて楽しくて仕方なくなりました。結局、4~5日で全員入力してしまいました。そして入力した園児全員の顔を思い出すことが出来ました。
新園舎のホールに龍の子卒園児全員の銘板を掲示する予定です。龍の子は、昭和56年に無認可の龍の子保育園で開園、平成6年に学校法人認可が下り、龍の子幼稚園になりました。そして平成28年より第3ステージの「龍の子こども園」になります。名称は変化しても、一六〇〇余名の龍の子卒園児はいつまでも、龍の子の卒園児として繋がっていきます。