暮れからお正月にかけては、ご家族で一家団欒を満喫出来たでしょうか。第2回マラソン大会の園児の力強い走りとラストスパートを見ると冬休み中どの家庭もマラソン練習を懸命にして下さったことが想像できます。本当にありがとうございました。おかげで全員がまらそん大賞を受賞することが出来ました。
どの子にも、大会当日まで様々なドラマがありますが、ひまわり2組のAちゃんの1000m完走は感動的でした。Aちゃんについてすみれの時の「あゆみ」です。
今日は園長先生が、ご自身のお子さんのお話をして下さいました。一番下のお子さんのお話では、娘と重なる部分も多々あり、『今、子どもに関われることの幸せ』というものが、私自身ずっと抱いてきた想いと重なり、とても共感できました。 娘は、産まれてすぐ手術をしなければ1ヶ月以内に命がないと言われ、12時間にも及ぶ大手術をしました。しかし手術後に術後急性心不全を起こし、医師からは「誠に残念ですが…」と言われました。娘は胸を開かれ、心臓がむき出しのままの状態で1週間以上も生死の境をさまよい続けました。その間、私たちは、何度も危篤の連絡を受け、真夜中に病院に駆け込みました。1分でも、1秒でも長く生きてほしいと願ったものでした。 『当たり前の生活は、とても《有り難い》ものなんだ』と実感しました。また今日、精一杯の事をしておかなくては、もし明日、娘の命がなくなってしまった時に、ひどく後悔するだろうと思え、面会時間中、ずっと娘に語りかけていました。 今は外見上、とても元気にしていますが、私と夫は内心、いつも緊張しています。定期検査も毎回祈るような気持ちで行っています。 だからこそ、今の1分1秒は、娘の人生の中の貴重な1分1秒なんだと思えます。 そんな貴重な時間をパパ・ママと共有させてもらえるなんて、なんて幸せなことでしょう!! 私が『お母さん』でいられるのは、娘が、今こうやって生きていてくれるからです。 『ママを「ママ」でいさせてくれてありがとう』って思います。 これからもずっと、『今、子どもに関われることの幸せ』が『本当に有り難いものなんだ』ということをしっかり胸に抱いて、毎日、全力で娘と向き合っていきたいと思います。 そして、このような考えをもって、子ども達と接してくれる龍の子幼稚園に入園出来て本当に良かったと思いました。これからもよろしくお願いします。 |
入園してからAちゃんは心臓に負担がかからないように運動は一つひとつ制限しながらやってきました。でも「みんなと一緒に出来ない」ことがAちゃんにとってはとても辛いことでした。特にマラソンは長時間走ることになります。心臓に必要以上に負担がかかっては生命に関わることになります。園としても、担当医やご両親と相談を重ねました。そしてマラソン練習は、職員が一人並走し、顔色や息づかいを注意し、走り終わった直後に、血圧と脈拍測定をして身体の状態を確認しました。第1回大会は600mが限界と思われ、みんなが400m走った地点からのスタートとしました。
でもAちゃんは「みんなと一緒の距離を走りたい」を強く主張しました。そんな想いに何とか答えてあげたいとご両親は冬休み中、少しずつ距離を伸ばす挑戦をしました。そしてついに1000m完走を達成したのです。ご両親とAちゃんは大喜びで園に報告に来ました。そして第2回マラソン大会では「みんなと同じスタート地点から、みんなと同じ距離を走らせて下さい」と申し出ました。勿論、不安はあったので、並走して顔色や息づかいをチェックする職員は配備しました。職員には「少しでも異変があったらすぐにでもストップすること」を確認してスタートしましたが、そんな私達の心配をよそに平気な顔で完走するAちゃんがいました。タイムも6分を切るという立派な記録です。
翌日、お母さんから次のように「あゆみ」が出ました。
マラソン大会ありがとうございました。 冬休み中から「1000m走るんだ」と言って練習していました。1000mを皆と同じように走れるのは、とても嬉しかったのでしょう。新学期になってマラソン練習で1000mを走っている娘の顔はとても嬉しそうでした。 昨夜、控えめに「明日ね、裸っぽで走る~」(ひまわりになって胸の手術跡を気にして裸を避けていました)と言った娘。「すごいじゃない、裸っぽで走ってみな」と言うと、パッと表情が明るくなって「うん!」と張り切っていました。すごい、すごーい!!この前向きさ! 「マラソンって楽しい?」と聞くと「楽しい」と即答。理由を聞くと「だって、皆で走るだけで楽しいもん♡」と言う娘の言葉を聞いて、目からうろこが落ちる思いがしました。走る事を楽しいって思えるなんて「ステキだなぁ」と思います。 12月から心の中で心配していましたが、本番の今日は、何と裸っぽで1000m完走!!親の心配をよそに、清々しく楽しそうな表情でグランドに入って来ました。「頑張れー!」という私の姿を見つけると更にスピードアップ!タイムを聞いて更に驚き!パパと二人で「たいしたものだなぁ…」と感慨にふけりました。 娘が誕生してから、親も子も一緒に成長してきたつもりでしたが、娘がぐんぐん成長していき、親の私達が置いていかれる気分です。(笑) 本当に娘に貴重な体験をさせていただき、先生方には感謝してもしきれません。 「裸っぽで1000mを完走」したという経験は、娘にとって何よりの自信になり、小学校へ行っても、きっと前を向いて歩いて行ける事と思います。 本当にありがとうございました。 『娘の将来の健康も大事。だけど「今」の人生も大事』。そんな私達親子の想いを汲み取って下さり、叶えて下さった龍の子幼稚園に心から感謝しています。 |