1月/園庭遊びが楽しい設定

 第35回夢の会が全員参加で開催出来た事を感謝申し上げます。初めて舞台に立ったすみれ(年少)ちゃんが、元気に演じている姿は微笑ましいですね。物怖じしなかったのは、普段の劇遊びの成果と思います。れんげ(年中)さんは、劇中の役になりきるのが、楽しくて仕方ないというのが分かります。また年長さんの演目も「来年は自分達がやるんだ」という気持ちで注目していた事が嬉しかったです。ひまわり(年長)さんは、さすがです。龍の子幼稚園の最年長者で、夢の会をリードしていくんだという意気込みを感じました。(詳細は「夢の会反省会より」をご覧ください)
 これまでゆうぎ室では、子ども達と父母が入りきる事が不可能だったので公共の会場をお借りしていましたが、来年からは園内開催が可能になりそうです。お部屋でやっている劇遊びを園内ゆうぎ室で出来たら子ども達も普段通りに出来ると思います。会場への送迎や準備物の運搬等に使っていた労力を子ども達に向けられるという利点もあります。発表会というより子ども達の劇遊びを参観してもらうという本来の形に近づけたいと考えています。ただ新園舎完成前ですので、運営が始まると予測されない事態も起こるかも知れません。当分の間、試行錯誤がある事をご理解下さい。
 今度の施設は園舎だけでなく、園庭を工夫して設定しました。入園前室内遊びしか経験が無い子が多いので「思わず外遊びをしたくなる」設計をしました。設計監理を担当している『時(とき)設計』さんがKids Jam~育みの庭~という園庭設計冊子を発行。その中に特別寄稿を書かせて頂きました。

「外遊びの大切さ」龍の子幼稚園 園長
入園式直後のことです。泣いている新園児たちの気を紛らわそうと「お外に行って遊ぼうよ。お砂場は楽しいよ。お花もきれいだよ」と誘うと「面倒くさいから…」「汚れるから…」、「お外はイヤ」と言います。こんな子が年々増えているように感じます。
 各地に子育て親子支援の為の「支援センター」が出来て、入園前にそこで過ごす機会が多くなっています。親にとって安全のうえ、冷暖房完備で快適に過ごせ、とても良い場所だと思います。
 しかし乳幼児は、今経験していることが「普通あるいは当然のこと」として前頭前野(脳の性格をつかさどる部分)に刷り込まれてしまうのです。部屋の中の生活が普通のことで、外で過ごすことは「特別なこと」になってしまっているのです。
 外に出れば四季の変化を感じられます。そこで「風が気持いいね」「このお花、良い香り」と感じたことを言葉にすれば、感性が豊かな子になります。外には草や花がいっぱいありますから、そこで感じることも多いはずです。バッタや蝶々などの生き物が動く様子を見て色々な発見もあるでしょう。
 また土や砂は、どんな形にもなりますから想像力や創造力・空想力を育てるのに、これ以上のものはありません。
 これらの遊びをしていると他人(ひと)との会話も自然に増えます。小さい頃から自分の気持ちを話し、人に意見を求めることがコミュニケーション能力の向上にもつながります。
 利点ばかりの「外遊び」ですが、自発的に子どもが取り組むことはむずかしいのが現状です。この状況を打破する為に「子どもが思わず外遊びをしたくなる『園庭整備』計画」を立てました。
 築山やトンネル遊び、井戸ポンプの組み上げは、好奇心や探究心をかきたててくれます。花壇や草木を見ると、和やかな気持ちにさせてくれます。ツリーハウスを利用した遊びをすることで、判断力や適応力が格段に増します。自然の中で、身体を思い切り動かす楽しさや喜びを知ります。日々こうした遊びをすると、どんなことにも興味津々で好奇心旺盛な子、能動的に行動できる子になるはずです。
 子どもが自ら「幼稚園に着いたらお外に行きたい」と感じさせる環境作りは、子どもに多くの経験をさせてくれると信じています。
 龍の子幼稚園に来たら「お外で遊びたい」と思ってもらえるようになったら嬉しいです。

 「南の森」には「ツリーハウス」「築山&ドカントンネル」「ドキドキ橋」「ガチャポンプ~池」「泥んこ広場」「ボール投げ壁」「屋外トイレ」(いずれも仮称)があり、身体を使った遊びを含め、色々な体験が出来ます。またお花や木々も植えてありますから「感性(の心)が育つ」事に繋がると思います。園庭東側には「積み木収納小屋」があり、その上を「空中散歩道」(高さ約2m)として歩いたり、走ったり出来ます。階段で登り、途中からはボルダリングになっています。降りるのは「滑り台」。園舎前には「遊具」の他に「砂場」や「花壇」もあります。園舎西側には「果樹園」を予定しています。「思わず外に出たくなり」何だかワクワクしてきますね!
 園舎内では2階に上がるのは、螺旋(らせん)階段です。1階の階段外側が図書館、2階の空洞部分でボルダリングが出来るようになっています。高さ2mまで登るとネットがあり、ゆっくり寝そべる事が出来ます。ネットの少し上に窓があり、そこから外が眺められます。「その景色を見たいからボルダリングに挑戦しよう」という気持ちになるかなと思っています。(登り棒のような)棒から降ります。静と動を考えました。1階と2階を繋ぐ「もしもしパイプ」もあります。
園舎や園庭施設が広くなるので、数ヵ所カメラを設置し、職員室から園内の状況が把握、防災・防犯対策もしました。
 現時点で新園舎への引っ越し作業は1/16~17を予定しています。その際の御協力もお願い致します。