1月本物の伊達直人(河村さん)の素顔

 令和2年あけましておめでとうございます。3学期は3ヵ月間と短いですが、各学年の集大成です。1~2学期以上にご理解ご協力をお願い致します。
 12月10日に渡部磐田市長の「名乗り出て」の声に磐田の伊達直人を公表させていただきました。名乗り出た理由も、始めた理由も、同じで、タイガーマスク運動を風化させないためです。自分の今の幸せを少しだけ、辛かったり、苦しんでいる人に分けてあげようと考えることが大切だと思います。そして子ども達にも「両親がいて、住む家があり、三度三度の食事ができることが当たり前」ではないことを考えて欲しいです。
 テレビ局や新聞社の方々が次々に質問する囲み取材ということを初めて経験しました。矢継ぎ早の質問の連続に戸惑いました。政治家などが失言してしまう訳も少し理解できました。ゆっくり考えて答えれば良いのですが、あまりに多くの質問があるとついつい早く答えなくては、と答えを整理する余裕がなくなります。
 その後も幼稚園への取材などもたくさんありました。私を通して龍の子幼稚園のことを理解していただければ嬉しいです。
 買い物に行くと「伊達直人さんですよね」「長い間ありがとうございました」などと言われ、照れてしまいます。「たった百万円で売名行為か」という批判的な電話もありました。いずれにして名前を公表するということは大変なことなんだなと実感しています。
 市長との懇談の場に群馬県で施設にランドセル10個を贈り、タイガーマスク運動のきっかけとなった河村さんも駆けつけて来てくださいました。
 懇談が終わると「仲間たちの龍の子幼稚園の先生方にも『ありがとう』を伝えたい」と園にお越しくださいました。その後、河村さんと3時間以上のお話をさせていただきましたが、その生い立ち、壮絶な人生に驚きました。
 両親の別居中に生まれ、3歳の時から虐待を受け続け、中学の途中に養父が蒸発し、そこから高校卒業までアルバイトをしながら一人で生活を続けたそうです。自分の境遇に屈せず、河村さんは24歳から46歳の現在に至るまで毎月寄付 (懇談日に磐田市にも10万円の商品券を贈呈してくださいました) を続けているそうです。
 それだけではなく、行政に働きかけ、前橋市で創設したふるさと納税のタイガーマスク運動支援運動は5,000万円にものぼり、そのお金を養護施設のために活用できるそうです。「養護学校の子は高校を卒業してからが本当の苦労がはじまるのです。だから独り立ちできやすいように様々な援助を考えました」と河村さん。そのために民間企業にも協力を求め、施設出身者が高卒時に自動車教習所に入ったら半額減免を教習所関係者に取り付けたそうです。「運転免許がなかったら前橋の田舎では生活できませんから、でも高校を卒業した時にその費用を出してくれる人はいません」とのこと。他にも紳士服メーカーの協賛で、卒業式の後、スーツをプレゼントし、そのスーツを着て将来を誓うというセレモニーをするとか。また家電量販店の協力を得て一人暮らしが決まった子には、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・掃除機・電子レンジの家電5点セットをプレゼントするそうです。
 自分のような不幸な生い立ちの子を一人でも減らすために頑張ると話していました。河村さんと言うと最初にランドセルを贈った人、くらいしか知らなかったのですが、本当にさまざまな形で弱者支援をされている方でした。こんなステキな方に出会えただけで実名を公表して良かったと思っています。
 あと3ヵ月で、卒園、進級になります。次の学年になってから、と考えずに今やるべきことを全力でやり切って、各学年の修了式を迎えられるようにお願い致します。