『フィクション』と『ファンタジー』のお話の世界を楽しもう!

〜酋長のようなインディアンになりたい〜
 9月は『インディアンまつり』があります。『フィクション』と『ファンタジー』のお話の世界でインディアンになりきり、当日まで楽しみます。はだし・薄着で、どろんこが、水が、太陽が大好きな龍の子っこ。ちょっぴり野性味があり頼もしさもある元気な龍の子っこ。そんな子ども達のイメージにあったインディアンまつりは、『インディアンの酋長は、強くて優しくて賢い!だから龍の子インディアンも、そんな酋長のような立派な大人になりたい!』をテーマとして『劇あそび』を楽しみます。まだ見ぬインディアンの人々の自然の中で逞しく生きる生活力は素晴らしいと敬意を表し、現実では体験できない世界をフィクションで楽しみたい、想像の世界をまだ見ぬ世界まで広げてみたい…との願いを『インディアンまつり』に託したいと考えています。
 また、インディアンまつりまでの一定期間は、いつものクラスの枠を外し異年齢(3・4・5歳児クラスの子ども達を4つのチームに分け)の縦割りの保育を行います。大きい子が小さい子を助け、協力し合う中で、大きい子に憧れの気持ち、小さい子には労わる気持ちが芽生えます。おまつりのシンボルを各チームで協力して作ったりもします。当日は、3枚の羽根(『強い』『優しい』『賢い』の願いを1枚ずつの羽根に込め制作)を頭に着け、腰みの・自らで染めたTシャツを身に着け、顔には化粧(ペイント)をして、インディアンに扮します。よりインディアンの気持ちをもてるようにご家庭にて「おはようハオ!」など、インディアン語でおしゃべりを楽しんだり、一緒にインディアンごっこをして遊んだりする中で、お子さんが楽しんでいることを共有してください。きっとおまつり当日に向け、龍の子インディアン達の気持ちも更に盛り上がっていくこと間違いなしです。
 そして、夏やすみ期間中にコツコツお手伝いをしてお小遣いを貯めることで、おまつり当日にオモチャ購入への楽しみも増すのではと感じます。ただおもちゃ購入のためにお家の方からお小遣いをもらうのでは感じ得ない、お手伝いをすることで家族の助けになっていること、家族の一員として自分の存在が必要で大切であることなどを実感することもできますね。普段何気無く購入してもらっていた物や安心して生活ができることもお家の方がお仕事をして稼いだお金で成り立っていることも、労働対価としてお金をもらうことで知ることもできます。期間やどんなお手伝いに対していくら渡すかは、各ご家庭でお子さんと話し合ってルールを決めて行ってください。そんな風にしてコツコツ貯めたお小遣いを龍の子インディアン達は大切にし、購入の際は自分で欲しい物を選んで、その物をきっと大切にするのではないかと思います。
 『劇あそび』と聞くと、セリフを覚え演じる姿をイメージされると思いますが、本園で取り組んでいる『劇あそび』は、先生も子ども達も思わず即興的に劇中人物になりきり、お話の世界を共有して遊びを展開していきます。先生と子ども達でフィクションの世界で登場人物の心情をキャッチし合い対話をしていきます。先生が対立物や協力者として対話をして演じる中で、さまざまな対応やストーリーを展開していくことができるのです。だから、本当に悲しくなったり嬉しくなったりします。お話の世界で困難を乗り越えてみんなで幸せになる劇を子ども達と共に全力で遊び込みます。
 『劇あそび』や『童話』の保育は子ども達の創造性を育ててくれます。そのため日々の絵本の読み聞かせの時間も大切に考えています。『絵本コーナー』や『学級文庫』の絵本の内容も充実!たくさんの絵本に出会えるよう設定しています。家庭に持ち帰ると大好きなお父さんやお母さんに読み聞かせてもらうから、心もほかほか!安心していい眠りにつくこともできます。特に『共感能力』を育むのに効果的な擬声語や擬態語が多い絵本の『読み聞かせ』は6ヵ月〜1歳くらいの時期におすすめです。『読み聞かせ』を聞いている子どもの脳は、感情の動きをつかさどる大脳も活性化します。
 絵本は、子どもだけでなく大人にとっても『心の栄養』なのです。実は『読み聞かせ』をしている親も『前頭前野』付近が活発になり、読み聞かせをしているうちに気持ちが落ち着いていき、イライラせずに子どもと接することができるようにもなるという利点もあります。『読み聞かせ』をすることは友好的に親子のつながりを強く『絆』を育むことができるのです。また、お子さんとの『対面抱っこ』も「絆ホルモン」といわれる「オキシトシン」が脳より分泌されます。オキシトシンは「愛情を深める」「ストレスを減らす」「記憶力や集中力が高まる」「いろいろな人と親密な関係を築き社会性が育っていく」と言われます。ですから子どもには最適なのです。そして、保護者にとっても「自分の行動をコントロールできる」「ストレスに強くなる」「いろいろな脳内ホルモンが出やすくなる」「やすらぎや幸福感をもたらす」などの効果があります。
 この夏、早寝・早起き・朝ごはんをしっかり食べるなど、規則正しい生活リズムを崩さないように過ごすと共に、ぜひお子さんとゆったり関わり、さまざまな絵本と出会ってくださいね。

〜7,8月合併号より〜