5月 生活リズムを整えて心も体も元気一杯に‼︎

5月 生活リズムを整えて心も体も元気一杯に‼︎  青木 英里子

 新年度スタートから1カ月が過ぎ、新しい環境にもだいぶ慣れてきた子ども達。それぞれのピカピカの色帽子も随分と馴染み、身支度を終えると園庭に駆けていき、好きな遊びを見つけて元気いっぱいに遊んでいます。

 日々子ども達と関わり過ごす中で生活リズムの大切さを感じています。子ども達の健やかな成長のためには適切な運動、バランスのとれた食事、十分な休養(入浴)・睡眠など基本的な生活習慣がとっても大切ですね。生活リズムが整うと心の状態も落ち着いてきます。
 土・日・祝日(ゴールデンウィーク中)も、出来るだけ生活リズムを崩さず過ごせることを意識して生活ができるといいですね。例えば、夜ちょっといつもより寝る時間が遅くなってしまった時は、翌朝の起床時間を遅らせようではなく、起床時間時間を変えないようにすることで、就寝時間を戻していくことができると思います。

 これから梅雨時期に入り、ジメジメムシムシした暑さを感じることも多くあると思います。季節の変化(さまざまな気象状況)に対応できるよう、心も体も元気に過ごしたいですね。
 とはいえ、これから暑くなっていった時にお風呂の湯船に浸かるのは…と、思われる方もいらっしゃると思います。毎日の入浴は、大人はもちろん、子どもの健やかな成長を維持するために欠かすことができないとても大切なことです。しかし、子どもは大人よりも冷えや疲れを自分で訴えることが少ないため、入浴することの重要性を感じにくい面もあります。また、家事や育児でヘトヘトになり、疲れがピークになる時間帯に、子どもをお風呂に入れるのは大変なときもありますよね。もちろん、時々シャワーだけで済ませることにそこまで弊害はありません。しかし、お風呂につからないことが習慣化すると、子どもの体温が下がって、風邪を引きやすくなったり集中力が低下したりする恐れもあるのです。大人と比べて、子どもは疲れ知らずと言えるほど、体力面で敵わないと感じることがありますよね。しかし子どもとはいえ、体を動かした分はしっかり疲労も溜まります。ノンレム睡眠をとレム睡眠を繰り返し、安定して良質な睡眠をとることで、ノンレム睡眠の時間帯は、肉体疲労の回復のほか、成長ホルモンの分泌も活発になる時間帯です。
 温かい湯船につかると、温熱効果により体がポカポカと温まり、心身ともにリラックス効果が得られます。これは大人だけでなく子どもにも言えることです。また、ゆったりとお子さんとお風呂で会話をすることで本音が話せる機会にもなり、そんな時にお父さんお母さんが体験した失敗談などを話すことで心も安らぎます。入浴中は脳までリラックスしている状態のため、集中力・記憶力UPにも繋がります。子どもと一緒に入浴するときは、大人がぬるいと感じるくらいがベストです。熱すぎるお湯は交感神経を刺激して働きが活発になり、体が興奮状態に陥ってしまいます。だいたい38~39度くらいが適温になります。38~39度のぬるめのお湯に浸かることで、子どもの心臓や血管にも負担がかけることなく、血行を促進することができます。そして、ゆっくりと深部が温まることで、心も体もリラックスしていきます。体の深部まで温熱を届けるには、肩までしっかりつかることが大切です。ただ、長くお風呂につかると、体が温まりすぎて交感神経を刺激してしまう可能性があります。入浴時間は15分程度が望ましく、長くても20分程度にとどめておきましょう。食後すぐの入浴は、消化不良を起こしやすく、吐き気や膨満感、食欲不振を招く恐れがあります。食後1時間ほど時間をおいてから入浴するよう心がけましょう。
 入浴を就寝時間の1~2時間前に済ませておくと、夜更かしすることもなくぐっすりと入眠できます。子どもの『眠り』は、まだまだ成長過程の頭と体を『発達』させるために必要なものです。子どもの脳は寝ている間に記憶された情報の整理をするだけでなく、体を育てる『成長ホルモン』も分泌されます。しっかり寝ることはしっかりとした心身を作ります。昔から言われている『寝る子は育つ』は本当なのです。脳が成熟する思春期までの時期は、大人に比べて長時間(就学前は10時間)の睡眠が必要です。子どもの頃から、しっかり眠る習慣を身につけることが大切ですね。
 最近では、保護者の生活スタイルにあわせて夜更かしをしている子どもが増えていると言われています。様々な原因はあるとは思いますが、子どもを夜遅くまで起こしておくことは避けていただきたいです。睡眠や生活習慣の乱れが子どもの成長や発達によくない影響を及ぼすことが分かっているからです。
 睡眠の導入に必要なホルモンとして『メラトニン』というホルモンがあります。このメラトニンは暗いところで多量に分泌され、明るいところでは分泌が抑えられる働きを持っています。夜更かしをしている子の多くは、夜遅くまで明るい場所にいます。子どもが寝る時間に部屋の電気がついていたりテレビがついた状態だと、メラトニンの分泌が抑えられて、子どもはなかなか眠りにつくことができません。寝室は子どもが眠りにつきやすいように暗くしてあげてくださいね。また、このメラトニンは日中に太陽光線をたくさん浴びることによって夜に大量に分泌されるので、天気の良い日は子どもを外で思い切り遊ばせあげてくださいね。又、昼寝は夜の睡眠の代わりをすることはできません。知らず知らずのうちに健やかな成長が損なわれてしまいます。

 睡眠の大切さと同じく、朝食での栄養が脳のはたらきを良くし、体のリズムを整えてくれます。朝食は欠かせないものですね。しっかり眠って、しっかり食べて、しっかりウンチを出して…。この当たり前と思えることが実は、子どもの心身を守る大きな力となります。

 食事、外遊び、睡眠、排泄など生活リズムのある生活をすることは、子どもがごきげんに過ごすコツなのです。

※本園理事長の書籍『子育て99ハンドブック』に『睡眠』(P46〜)・『食事』(P54〜)など『生活習慣』について、
分かりやすく掲載されています