3月未来を生き抜くために『生きる力』を育む

最強寒波もやっと過ぎ去り、あたたかな日差しが春の訪れを感じさせてくれますね。つくしも顔を出し、園の河津桜も少しずつですが日を増す毎に花数が増え始めています。

先月14日に、創立44周年の記念講演会を行いました。創立記念日は無認可の龍の子立ち上げから署名運動を経て、今の龍の子があることを職員や保護者の皆さまにも知っていただくために毎年行っています。そして、皆さまに感謝の気持ちを込めて記念講演では子育てについての教育講演会をさせていただいています。アミューズ豊田『ゆやホール』をお借りして、ご専門が小児栄養の名古屋短期大学保育科教授 小川雄二先生(『ママごはん』の『食育の学校』のコラムでお馴染みの先生です)をお招きし、『五感イキイキ!楽しく食べる食育で子どもが伸びる』をテーマにお話してくださいました。『食』に関するさまざまなことは、子ども達の成長に欠かせない『生きる力』を育んでくれることを実感しました。園に登園して、さまざまな保育活動を意欲的に楽しく行うためにも、朝食をしっかりとることが大切!脳が目覚めていないと朝の食欲がわかないため、いつもより朝10分くらい早く起きて朝食作りのお手伝いをさせてあげると良いとのこと。褒めてあげることもできるので、快適な朝食をとることができ、前向き物質のドーパミンが十分に出るため、保育活動が楽しく意欲的になるとのことでした。食育お手伝いは、スペシャルお手伝い‼︎まさにそう感じさせていただいた講演会でした。

また先月は、『卒園遠足』も行いました。ひまわり(年長)組の親子と袋井市にある小笠山総合運動公園(エコパ)に行ってきました。散策道を親子で30分程トレッキング!起伏のある山道で自然との触れ合いや景色を楽しみ、親子の会話も弾みました。散策道からビオトープ園のエリアまで歩き、昼食やお菓子交換を楽しみました。その後、芝生の広場では親子でサッカーなどをして遊ぶ姿もありました。スタジアムの傾斜の芝生エリアでは、園から持参したソリや各自のピクニックシートを使って友達や親子で草ソリを思い切り楽しむ姿があり、ステキな笑顔がたくさん見られました。卒園遠足を通して、子ども達の心と体の成長も十分感じることができました。

今年も『アプローチカリキュラム』の公開保育を行いました。『幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿』を手がかりとしながら、幼児期にふさわしい生活を通して、特に年長児はこの時期ならではの、資質・能力を育み、小学校の生活や学びにつながるように工夫した園生活の中で過ごしています。幼児は『遊び』が『学び』です。年長の子ども達がどのように遊びを通して育っているのか、又、対話を通してどのような関わり合いや主体的な姿があるのか等、遊びが学びに繋がる姿を来園してくださった市内の幼稚園・保育園・こども園・小学校の先生に見ていただきました。また、長野幼稚園の年長児や長野小学校の1年生との交流の機会も持つことができました。子ども達も、他園の初めて出会う同じ年齢の子と遊び、小学校の教室で一つ上の1年生と遊んだ経験は、とても刺激的で小学校生活に繋がる経験となりました。

今月は、次の学年に繋げるための現学年のまとめの月です。後1カ月でみんな1学年上がりお兄さんお姉さんになり、新入園児が入ってきます。ひまわり組の子ども達は龍の子を卒園し、小学1年生になります。

卒園の際に一人ひとりに授与する『はかせ号』も完成しました。その子の3年間を振り返り命名するのですが、作成にあたり全職員から一人ひとりに宛てた『はかせ号』の資料を提出してもらっています。年少や年中の時の姿や龍の子との出会いの頃まで遡った様子も含まれていたりします。職員みんなが子ども達一人ひとりに思いを込めて書いてくれているので、その子の様子が走馬灯のように思い出されるのと共に『3年間の成長』も実感しています。それぞれどんな顔をして『はかせ号』を受け取ってくれるかなあと、子ども達の表情を想像すると、とてもワクワクします。今から渡す瞬間が楽しみでなりません。また、今月の保育参観時には、年長児とお家の方と6年後の自分に向けてメッセージを書いた紙を紙飛行機に折り、想いを込めて園舎屋上から子ども達が飛ばす予定です。6年間、その紙飛行機は大切にタイムカプセルに保管しておきます。小学校卒業式後にまた龍の子幼稚園に集まり紙飛行機のメッセージを親子で読み返し思いを馳せていただけることを楽しみにしています。今年も6年前に卒園した親子から、続々と卒業式後の来園のご連絡をいただいています。卒園しても繋がっていることを実感させていただき、感慨深いものがあります。

私事ですが、本年度をもって座光寺 明 理事長(前園長)から受け取ったバトンを、現教頭の座光寺 敦士 先生に渡し、園長職を退任することになりました。龍の子幼稚園のこれまでの歴代の園長先生の想いも引き継いで『はじめに子ども在りき』の基本理念の基、『子どもの為の子どもの園(その)』となるよう、理事長にご教授いただきながら、教頭・副教頭をはじめ教職員と共に努力をしてまいりました。コロナ禍を何とか乗り越え、通常の園生活に戻ることができ、伸び伸びとその子らしく子ども達が過ごすことができたのも地域や保護者の皆様の温かい眼差しとご理解ご協力があったからです。改めて深く感謝申し上げます。今後も私自身は変わらず子ども達そして、子育て中の保護者の応援団で在りたいと思っています。

子どもは未来に向かって生きています。子ども達の『伸びる芽』の伸びる『時』は、その子その子違います。同じではないからこそ、共に遊び抱きしめ見つめることで、その『時』に気づくことができます。気づいたら、時に寄り添い、同意共感し、そっと背中を押してあげることが大事です。何より欠かせないのは、保護者の皆さんとお子さんのことについて共有し、協力し合うことだと思います。見つめられ愛されて育った『人の心』は無敵で、どんな時代が来ようとも必要だと思います。子ども達の未来は今の世の中とは大きく変化していると思います。AI(人工知能)がますます発達し人間を超えるのではないかとさえ言われていますが、実際にはどんな世の中になっているかは現時点では想像もつきません。今は変化が激しい世の中です。だからこそ、変化に柔軟に対応していく力が必要です。自分で考えて決める力や、上手くいかないことが起きてもめげずに前に進む力を養っておく必要があります。そのためにも、日常生活の中で、自分で選ぶ経験を繰り返ししておくことが大切です。その経験により、だんだんと大事なことも自分で決めることができるようになっていきます。『自分で考えて決める』この力を今教育現場ではとても注目しています。私たち職員が一方的に教えるのではなく、子ども自身の興味関心によって遊び込んでいく力が『生きる力』となっていきます。これから園も職員も更なる教育保育の質の向上のため飛躍をし、子ども達が未来に適応できる経験を積み重ねられる環境を園生活の中に作っていくことが必要だと考えています。大人の視点から見ると「どう何だろう?」と思うこともあるかもしれません。私たち職員も子ども達と共に、考え選択し、時に失敗もあるかもしれません。でも、試行錯誤するからステップアップすることができます。基本理念の『はじめに子ども在りき』は変えることなく、子ども達の主体性を大切にし、園の教育保育の3本柱に掲げている『運動遊び』『劇遊び』『食育』に、これまで以上に力を入れ行なっていく職員と子ども達を、どうぞ温かい目で見守っていただけたらと思います。これからも、未来に向かって翔け!龍の子‼︎