9月集団生活は何を経験をするため??

 8月17日㈪浜松市中区で史上最高タイ記録の気温41.1°が観測されました。浜松市が歴史上一番「暑い街」になるとは驚きです。2学期に突入しても暑さ=熱中症に対しての対策を考えなくてはいけません。今年は新型コロナ感染予防対策もプラスされることになり、日常生活を送ることもむずかしいのが現状です。
 磐田でも、とうとう新型コロナ陽性反応者が出ました。浜松では飲食店などでクラスターの発生がありました。園内でも行事(特に保護者が参加する)について見直さなければなりません。幼稚園生活をする中で保育の目的や目標を変更せずに、そこに至る方法の変更は止む無しと考えていますのでご理解ください。特に保護者参加の機会は大幅に減少する可能性があることを承知しておいてください。この年齢は一番身近なお父さんお母さんに見てもらって、それを自身のパワーに替えていきます。また我が子が頑張っている様子を目の当たりにして我が子を今まで以上に愛おしく感じ、親子の絆が深まるのです。だから保護者が参加する行事は必須と思っています。しかし今は人類が経験したことのない非常事態に直面しています。優先順位の一番を考えると「子どもが目的・目標に沿った保育経験をする」ことです。磐田で陽性者が増加したり、園関係者で陽性者が出た場合は、それすら困難となってしまうことをご理解ください。
 新型コロナに誰がなったなどの誹謗中傷めいたものがネットに氾濫していますが、幼稚園で起きた「正義が暴走した日」「誰も悪くない怖さ」という話が6万を越す「いいね」があることをご存知ですか?幼稚園に通わせているお母さんがお迎えに行くと我が子(女児)が「男の子に顔をなぐられた」と先生が「申し訳ありません」と謝った。理由を聞くと「女の子がシールを欲しいか」と聞いてきた。その子は数日前から「シール欲しい?」と聞き、「欲しい」と言うと「あ~げない」を繰り返した。相談された母は「今度はいらないと言ってみたら」とアドバイスした。女の子は母親のアドバイス通りに「いらない」と言うと、言った子は「意地悪言われた」と男の子に訴える。それを聞いた男の子は「意地悪はいけない」と手で頭をはたこうとしたところを避けて顔を殴ってしまった。ということでした。それを聞いたお母さんは「それはみんな悪意があったのではないから悪い人はいませんね」と答えた。それを漫画にして紹介すると大反響となったという話です。
 ツイッターでは、「園にシールを持って来ていいのか」とか「シールをあげない女の子が悪い」とか「男の子も確認せずに手を出すのは良いのか」などの意見もありますが、本質からずれていますよね。お母さんが言いたかったのは「みんなが正義」と思っての勘違いや誤解があることがあるということですよね。
 幼稚園や保育園は集団生活の基礎を学んでいる場です。「自分と違う性格や意見を持つ子も存在する」「良い人でも失敗や間違いはある」そんな人たちとどのように関わって過ごしていくのが良いのかを日々練習しているのです。「〇〇ちゃんがこう言った」「△△くんがこんなことをした」と我が子から聞かされた時にどんな対応をしていますか?
まずは「辛かったね」「悲しかったね」と同意・共感して心を落ち着かせてあげてください。心が平静になったら「今度〇〇ちゃんが同じことをしたらどうしようか?」と自身で考えさせてください。さらに「〇〇ちゃんはどうしてそうすると思う?」と少し相手の心情を想像させてください。そんなことを繰り返していくと自身で考え、対応できる子に育っていくと思います。
このお母さんは被害者なのに冷静に、そして温かく我が子と我が子の周囲の子たちの人間関係をみることができたからステキですよね。
 小学校では「心が淋しい子」が必ずいます。そんな子に関わらずに過ごすことはむずかしいのが現状です。社会に出れば、自分と性格や意見が合わない人とも活動しなければならないことも多数です。学校生活は、そのための準備期間と捉え、園生活はさらにその前の練習期間と捉えていただければと思います。
 子育て99(救急)ハンドブックQ24/Q88にも書きましたが、子どもは「問題の解決」を親に求めているのではありません。自分の「気持ちを分ってほしい」と考えているのです。同意・共感が基本です。
 平成25年(2013)4月から担当していたFmハロー!「つながるねっと」が番組再編に伴い9/21㈪の放送が最後で終了します。この間78回の放送でしたから延べ20時間になります。昨年の合宿では園内から子ども達と放送したり、電話での出演もありました。パーソナリティの野相悠(はるか)さんがとても機転の利く方で、こちらの意図をすぐ汲んで話をひろげてくださったのでとてもやり易かったです。7年近く出演していても放送直前は緊張感から咳が止まらないことが続きました。最後の生放送を多くの方が聞いていただければありがたいです。なお龍の子幼稚園のホームページで過去の放送を聞くこともできます。