7月/1ヵ月に1粒もおコメを食べない若者

 5月28日(土)/29日(日)に龍の子幼稚園新園舎内覧会を実施しました。プール施設が5月下旬に完成し、すべての施設が整ったのでそれを見て頂く為に行いました。地域の方や、幼稚園・保育園関係者、そして卒園生とその父母が来園して下さいました。たくさんの方より感想を頂きました。その中の28期生T(中2)さんの感想です。

 私は友達に誘われて内覧会に行きました。新しい園舎に入るまでは外観がすっかり変わってしまっていたので、龍の子と分かっていても実感がわきませんでした。自分が通っていた園舎ではないので、あまり好きではなかったし、違和感の方が強かったです。しかし入ってみると全く違いました。懐かしい先生や時計、卒園児銘板に自分の名前がありました。  
 そして木のいい匂いもしていました。その時、私の新しい園舎の印象がガラリと変わり、好きになりました。一緒に行った友達と「○○はあの辺にあったよね~」「ひまわりのお部屋ってどんな感じだったっけ~」等と自分たちの思い出を話しながら見て回る事が出来ました。そして何よりも懐かしい先生やお友達に会う事が出来て嬉しかったです。
家に帰って久しぶりに手作りアルバムを見ました。龍の子に入ったから出来た様々な経験を思い出しました。私は龍の子幼稚園で3年間過ごせて良かったです。

 自分が通った園舎が無くなる事は、とても残念な淋しい気持ちになりますよね。旧園舎の玄関やゆうぎ室が取り壊され始めた時は、分かっていた事とはいえ胸が張り裂けそうな想いがしました。卒園された皆さんは、きっとみんなそんな想いだと感じます。でも園舎は変わっても、卒園生の皆さんがこの龍の子幼稚園に在園していた事は、変わらないのです。その証(あかし)として、ゆうぎホールに卒園生全員の名前が掲示してあります。この園舎に入るのは初めてだけど、入ったら自分の名前があった。やっぱり自分が卒園した龍の子幼稚園なんだと感じてもらえたら嬉しいです。
 銘板を見てこんな事をおっしゃった保護者の方がいました。「銘板の中に我が子の名前をみつけた時、高校・大学の合格発表で我が子の名前を見つけた時と同じような感激をしました」そう言ってもらえて嬉しかったです。
 実は銘板を作り直すときに、平成12~13年以前はパソコンを導入してなかったので、データとしてはワープロとか手書きのものしかありませんでした。そこで全員分を一人ずつ入力し直しました。卒園生の顔を思い出しながら入力したのですが、なんと全員の顔を思い浮かべる事が出来ました。十数時間を要した作業でしたが、一人ひとりの事を思い出す良い機会だったと思っています。

 1ヵ月ほど前に食に関するアンケート調査で、1ヵ月に1粒もおコメを口にしない20代男性が20%という結果が出た事をご存じですか?日本に住んでいて1ヵ月に1粒もおコメを口にしない人がいるだけで驚きですが、5人に一人もいるという割合にもビックリです。例え、自炊をしていなくても、今は、コンビニがあり、外食店があり、食べようと思えば、どうやったって口にする事は可能ですから、コメ自体を欲しないという事ですよね。パンやラーメンを食べ、カレーもご飯抜きで食べるそうです。どんなに美味しいご馳走があっても、ご飯を一口食べる事で、その美味しさが余計に引き立つように感じるのが普通だと思っていました。この若者たちはどんな食生活を経てこうなったのだろうと不思議に感じます。私が心配するのは、そんな若者が親になった時に子どもにどんな食事を提供するのだろうという事です。
 食べ物の好き嫌いという味覚は3歳前後から出来始め、6歳くらいまでにほぼ完成します。食べた回数の多かったものが好き、少ないものは苦手となってしまいます。子ども達の給食の様子をみていると極端に食べた経験の少ない物が多いです。人は経験を積んできた事がその人の土台となります。
今年の園児を見ると汁物を飲めない子が多数です。きっと朝ご飯に味噌汁やスープ類が出るという事がない家庭が増えているのでしょう。極端な事を言えば、味噌汁にさまざまな野菜を入れて作れば、野菜の栄養素は全部とれるのです。野菜の味や触感にも段々慣れる事にも繋がります。保護者は自分が好きか嫌いかで、食卓に出す出さないはしないで下さい。またお腹が満たされれば良いではありません。幼児期は、これからのその子の食生活の基礎を作る時です。
 野球が大好きな私には35年来の安倍昌彦さんという友人がいます。全国のドラフト候補選手を見て回って、自分で注目投手の球を受けて、それを手記にして出版するという趣味が高じて本業になった方です。その安倍さんは「選手成功するか否かの基準は①投げる、打つ、走る、の身体能力の高さ。②自分より各上のプロ野球に入っても委縮しない気持ちの強さ。の2点を見ていたが、最近はもう1点加わったんだ。それは食事の量。180㎝80㌔という立派な身体でも、女子高生のような小さなお弁当箱で食べている子が増えました。身体はサプリメントで維持しているのです。そんな子はいくら能力が高くても、プロでは成功しません。食事でしっかり栄養を摂る事が出来ないとダメです。大人になってから急に量を食べるようにするのは無理なんです。小さなうちから食べる事が大好きでないといけないんです」と言います。そして「座光寺さんは子育て中の母親に話す機会がありますよね。小さい頃に何でも食べられるようにしておく事が大切です。どうか子どもの可能性を広げる為にも、食べる事が大好きな子にするように言って下さい。幼児期の食が人生を変える場合もあるのです」。
 その為には味覚が出来る幼児期に色々な物を食卓に出しましょう。そしてどんな物もまず口に入れて10回以上噛む経験をさせて下さい。柔らかい物だけでなく、堅い物も少しずつ食べる経験が大切です。良く噛む事で顎も発達し、正常な本数の歯がはえそろう顎が出来ます。そして野菜類のように味が淡泊な物は、6歳までに食べられるようにしましょう。また酸っぱい物は3歳前後までで食べないと苦手になってしまう事があります。もう一つ大切な事は、食卓が楽しい雰囲気を醸し出す事です。会話というご馳走がある中で、食べる事が出来たらどんな物も大好きになっていきます。