7月 多様な経験の中で育つ子ども達

多様な経験の中で育つ子ども達  青木 英里子
 梅雨時期に入った6月下旬、前野地区にある園からすぐ近くの定光寺さんにひまわり組(年長)の子ども達がお邪魔させていただき、座禅体験をさせていただきました。本堂にて定光寺のご住職や総代の方々に迎えていただきました。本堂に入ると、定光寺のご住職より子ども達に分かりやすく座禅についてお話をしてくださいました。普段体験することのない雰囲気と座禅を組む姿勢に子ども達もいい緊張感の中、心静め落ち着かせる経験ができました。呼吸を整え座禅を組み、し〜んと静まると、雨音や道路を走る車の音、雨や畳の匂いなど様々なことに気づいた子ども達でした。心落ち着かせ、スッと背筋を伸ばし、すーっと深く呼吸するひと時の大切さも、この機会に感じることができました。とても貴重な体験をさせていただくことができました。地域との繋がりをこれからも大切にしていきたいと思います。
 また先日、アミューズ豊田メインアリーナにて運動遊びスタート会を行いました。すみれ組は、三角積木の『たーぼ山』、れんげ組は、四角積木の『やんちゃりか』、ひまわり組は、鉄棒と三角積木の駆け登りにチャレンジしました。各学年毎、担任より取り組みのポイントを伝えてからスタート!それを参考に、お家の方が我が子に声掛けやサポートをしながら、一つひとつの運動遊びに親子で向き合いました。最後は、年中・年長児がフラフープ回し(3分間)に挑戦!それぞれが今持っている力を発揮しました。運動遊びを通して親子の絆を育むことが目的ですから、今日からが目標に向けてのスタートです!今「できている」「できない」ではありません。むしろ今できない子の方が「これから一緒になって関わっていくチャンスがたくさんあるんだ!」と捉えてください。上手くいかない時、苦しい時に傍で応援してくれる人の存在をこの幼児期にしっかりとすり込んであげてください。信じて見守って共に同じ目標に向かってサポートしてくれる人の存在はとても大きな心の支えとなります。そんな経験が今後の人生でさまざまなことを乗り越えていく力になっていきます。結果にとらわれず、我が子と一つひとつ向き合っていく過程を大切にしていただけたらと思います。ぜひ、朝・帰りの送迎の際の『園庭遊び』や、各月設定されている週末の『園庭開放』を利用して、お子さんとゆったりと関わり向き合う時間を大切にしてください。親子で共に向き合うからこそ、達成した時の喜びを共にすることができます。そして、何よりそこまで向き合ってきた時間は、親子の絆も育まれ、かけがえのない特別な宝物の思い出となりますね。(※夏休み期間中は『園庭・プール開放日』も設けています)
 梅雨明けしたところもあり、暑さも本格的になってきていて寝苦しさを感じ日もありますね。小さな子ども達にとっては日中に目一杯遊んだ分、しっかりと休息をとることも大事になってきます。さて、園ではプール遊びを思い切り楽しんでいる子ども達ですが、水を極端に怖がる子が年々増えているように感じます。例えば、毎朝起きたら洗面台で手の平に水を溜めて、その水で顔を洗いますよね。でも、子ども達と話しをしていると、濡れタオルなどで拭いてもらっている、また入浴の際、ゆったりと湯船に肩まで浸かることをせずにシャワーだけで済ませるという生活習慣になっている家庭もあるようです。(※理事長新聞投稿集『道しるべ3』=№219参照) このような毎日の生活習慣は、この幼児期に当たり前のこととして認識する大切な時期でもあります。生活の中で毎日水と関われる場面があるのに、水との関わりが減ってしまえば、いきなりプールでの水遊びとなり怖さが先に立ち、水遊びの楽しさを思い切り感じることができなくなってしまうのも当然です。
 朝起きて、水で顔を洗えば、スッキリとして気持ちがいいですよね。眠気も吹き飛び気持ちの切り替えもできます。また、湯船に浸かることは疲労回復効果もありますし、何よりゆったりと親子で会話をする時間が持てれば、心もリラックスして我が子の素直な本音が聞けたりもするでしょう。このように、自然と心地よさを感じ、気持ちの切り替えもできる機会を大切に、毎日経験を積ませてあげてください。そうすれば自然と水が顔にかかる経験ができ、水への恐怖心は減っていきます。また、プールは大きなお風呂と思えリラックスできる楽しい場所、という印象になっていくでしょう。
 プール活動などの水遊びは、衣服と水着の脱着や濡れた身体や髪をタオルで拭き取るなど日常生活の経験が子ども達の『自分でできる!』という自信が表れる場面でもあります。自分のことが『自分でできる!』そして、日々の繰り返しの経験からスムーズにできると、不安な気持ちも軽減します。特に、濡れた水着を脱ぐことは身体に密着して、子どもにとっては少々扱い辛さがあります。水着を着てお風呂に入るなど『プールごっこ』として楽しく経験しておくと、子どもなりに扱い辛さのあることの中にもコツを見いだすことができます。どんなことも繰り返しの経験の中で成長をしていく子ども達です。最近少し気になっていることがあります。それは、プール活動後に子ども達の水着に含んでいる水を絞る際に、細かな泡が少しですが出てくることがあることです。気になって調べてみると特に、香りが長く続くタイプの柔軟剤の場合、高濃度に柔軟剤成分が水着に付着し、プールの水に流れ出て残留してしまうため、深刻な水質悪化の原因になってしまいます。柔軟剤の成分には、肌への刺激性や、吸入してしまうとアレルギー反応や、呼吸器へ影響を及ぼす可能性が指摘されています。また、水着の素材は薬剤に弱く、洗濯時に柔数剤を使用してしまうと劣化が進むというマイナス点もあります。子ども達が気持ちよくプール利用することができるため、そして衛生管理・水質管理のためにも、水着を洗う際には、「柔軟剤」のご使用を控えていただけるようご協力をお願いいたします。