5月/マズローの欲求段階説

 新学期が始まり、1週間が過ぎると、新体制が落ち着きます。ずっと以前からこの生活があったように感じ、子どもの順応性に感服します。
 メディアでは「森友学園」関連ニュースを見たり、聞いたりしない日はないくらいに取り上げられています。「忖度(そんたく)=他人の気持ちを推し量ること」は流行語大賞に選ばれるのでは、と思わせるくらい使われています。学校法人が園舎・校舎を建設する場合は自己所有が大前提ですから、首相の名前のつく小学校で、首相夫人が名誉校長となれば、忖度があったとみられても不思議はありません。また「わんずまざー保育園」問題もひどいものでしたね。これは、平成27年度に子ども子育て支援制度が発足し、希望がある「無認可園を出来るだけ認可する」方針が原因だと思われます。「待機児童をなくす」事が目的で、殆どノーチェックに近い形で認可園が増えました。行政の責任も大きいですが、保護者も預け先の実態を把握してからでないといけないという警鐘のように感じます。大切な我が子です。「施設設備の状況や安全管理は十分か」「職員数はどうか」を確認した上で、「園方針」や「園の雰囲気」も知っておきたいですね。さらに職員に接する機会があると人柄も垣間見えますよね。
 今年度から「プレ幼稚園」が始まりました。親子で登園し、少し遊んだ後、親子が別々になります。子ども達は先生と保育体験をします。出席カードにシールを貼ったり、制作活動をしたり、おやつも食べたりします。保護者の皆様は、子育ての講義を受けます。もちろん「あゆみ」(連絡帳)も書いてもらいます。書く事で冷静に振り返る事が出来るからです。また職員にとっても記述の内容から、子どもが来園を「ドキドキ」なのか「ワクワク」なのかを知るだけで関わり方も変わってくるからです。
 講義の中でマズローの欲求段階説を話します。参考になると思うので紹介します。
 人間欲求には、段階があり、①生理的欲求=食欲や睡眠欲や排泄等の自然のものです。次に②安心の欲求=自分が安心出来る環境が欲しい。お母さんが子どもにとっての「安心基地」となる事です。いっぱい関わってあげて「この人がいると安心できる」「心が落ち着く」と認識させる事が重要です。心が安心できると③所属の欲求=どこかに属していたい、つまり幼稚園・保育所に入って集団生活をしたいと考えるのです。だから心が安定しないのに幼稚園・保育所に入れるのは無理があります。所属(入園)が決まると、④承認の欲求=誰かに認められたいと感じます。ここでいっぱい褒めて、認めてあげる事が大切です。そこで自分が所属先で「大切な存在である」という自己肯定感が生まれます。それが満たされると最終⑤自己実現=理想の人物(先輩や何でも出来るかっこいい子)に近付きたいと努力するようになるのです。このマズローの欲求段階はピラミッドを積み上げているようなものなので、下が完成しないうちに上を求めては根底から崩れる事になってしまいます。我が子は今どの段階なのかを、いつでも考え接して下さい。時には段階が下がってしまう事もあるかもしれません。いつでも、溢れんばかりの愛情で、子どもを安心させる関わりをお願いします。