3月創立記念講演会から

 学年末の3月になりました。ひまわり(年長)は小学校入学を見据えながら幼稚園児としての締め括りを意識する日々です。他学年も4月からの進級を意識しながら各学年の総仕上げと考えています。残り2週間余りよろしくお願い致します。
 テレビを付ければ、新聞を開けば「新型コロナウィルス」関連の報道ばかりです。「新たに何県で発症者が出た」日本中にコロナウィルスが蔓延しているような錯覚に陥り、外出することを躊躇し、人ごみの中は敬遠されがちになります。このままでは日本経済は大打撃です。早く終息することを祈ります。
 創立記念講演会で浅井潔(浜松学院短期大学部)教授の講演はいかがでしたか。皆さんの感想文を見せていただきました。次のような5つの記載が多かったです。
a)最も信頼する人に依存と反抗を繰り返す b)子ども第一主義 c)安心感のある家庭 d)おおらかな心を持つ e)会話と対話の違い
a)園でも常々言っている安心基地の確立⇒第一反抗期(イヤイヤ期)⇒第二反抗期、これらは母親を安心基地として確立した後にさまざまな反抗を繰り返して、その安心基地の存在の確認作業をしているのです。その大きなものが第一/第二反抗期ですが、それ以外にもその都度反抗はあります。それらはすべて確認作業をしていると思ったらいちいち腹を立てることもないですし、丁寧に関わってあげられますね。
b)浅井先生は「子ども第一主義」と言われましたが、龍の子幼稚園では初代園長道子先生がいつも「はじめに子どもありき」を唱えました。園に於いては先生の都合で保育をしてはいけない。例えば先生がやりやすいからと教室に机を出したままにしておくと子ども達は広いスペースで遊ぶことができなくなる等、いつでも子どものことを優先すると指導しました。家庭に於いても同様です。保護者の都合で指示したりしていないかを今一度見直してみましょう。
c)人間は交感神経(緊張感)と副交感神経(リラックス状態)の両方がほどよくないと神経が参ってしまいます。幼稚園生活では交感神経を使うことが多いので、家庭に於いて安心感(リラックス)できる状態にないと頑張れません。旅行などから帰宅すると「家っていいな」「落ち着くな」と感じますよね。家に帰った時にそんな気持ちになれたら良いですね。
d)SNSなどを見ると誰かの少しのミスに対して徹底的に攻撃していることが良くあります。見ず知らずの人を何でそんなに非難できるのかと思ってしまいます。自分の心に余裕がないと誰かを攻撃して心の安定を保つのです。誰に対しても優しくおおらかな心で接している人を見ると安らぎますよね。特に親の言動は子どもに反映します。
e)子どもと「会話しています」と言う人に良く聞くと会話ではなく「〇〇した方が良いよ」或いは「△△しなさい」と指示・命令になっているケースが多いです。今回浅井先生は更に深めて、相手の意見を聞く対話が重要とおっしゃいました。子どもの意見を聞くことは時間を要することですから、これも心に余裕がないとできませんね。
 子育てしている今は日々の生活が精一杯で、なかなか自身の子育てを振り返ることはできません。だから講演会などで話しを聞いた都度、少し考えてみることが大切です。子育ては大変ですが、後から振り返ると人生で一番輝いていた時となると思います。「子育ての成果は二十歳になった時に分かる」我が子の成人式を思い描いてください。