2月経験の大切さと社会に出る前の土台作り

 新型コロナウイルスの感染拡大はいつまで続くのでしょう? 毎日「東京都の感染者数は2千何人」「全国では何千人」「そのうち重病者が…」と聞くと、どんどんコロナが迫ってくるようで怖くなります。
そんなコロナ禍でペットが捨てられていることをご存知ですか!? 外出が制限されているから室内で犬や猫を飼って楽しもうと多くの人が考えペットを購入します。ところがペットは生き物ですから「餌を欲しがり」「オシッコやウンチも出す」。ここまでは予想できても、「鳴くこと」そして遊び心で「室内を荒らす」これらのことを「予想をしなかった」「想定の範囲を超えている」と困って捨ててしまうのです。捨てられた犬や猫は保護された後、一定期間のうちに飼ってくれる里親が見つからなければ殺処分されてしまうのです。犬や猫を飼った経験のある人であれば、生き物を飼うことでどんなことが起こるかは子どもでも予測できるはずです。その経験がないので「動くぬいぐるみ」の感覚で飼うことを考えているのだと思います。
ペットを飼うことだけではなくて人間は「経験」することがとても大切なことです。頭で考えても実体験がないと想定できないことばかりなのです。また経験を積んでいればいちいち考えなくても感覚的に理解できます。
 龍の子幼稚園は月2回(乳児クラスは1回)の「手づくり弁当の日」を設けています。当初は給食だけでなく月1~2回は「お母さんの愛情」を感じて欲しいと始めた「お弁当の日」ですが、今からちょうど10年前の平成22年に「お弁当の日」を創った竹下和男先生の著書を読み、子ども自身がお弁当を作る大切さに共感し、保護者の皆様にも推奨しました。平成24年には「創立記念講演」に竹下先生をお呼びして講義も拝聴しました。
 調理をすることで『家族の有難さ』を知り、『計画や段取り』を覚え、『工夫』することの大切さを知ります。また彩りを考える『感性』も磨かれます。そして自分の作った物を食べてもらおうという『周囲への配慮』、「ありがとう」と言ってもらって『幸せな気持ち』を感じます。でも一番は、調理をすることや調理準備(買い出しを含め)をすることによって生まれる『親子の会話』です。これが親子の絆をより強いものにします。子ども達も親との関わりを通して調理の楽しさを知るでしょう。
 小さなうちからこんなに多くの経験を積んでいれば親子関係を良くするだけでなく、心豊かな子どもになっていくことと思います。
 4月入園が近づき、入園予定児の保護者の皆さまより「叱り方」についての質問を良く受けます。また在園児の保護者の皆さまにも「同意・共感」が大切と話しているので「叱ってはいけない」と勘違いされている方も多いです。そのことについて少し説明したいと思います。
 同意・共感をしてあげることはいつでも大前提ですが、時として「注意(叱ることも含め)」が先に来る場合もあります。ではどんな時に叱るのか。一つ目は「ケガをする可能性や生命に関わる」場合です。 例えば「石でお友達の頭を叩こうとした」「滑り台の上から突き落とそうとした」これらの場合はすぐに「ダメ!!」「いけない!」と注意することができると思います。
 二つ目は「ルールやマナー違反」をした時です。例えば「テーブルの上を歩いた」「食べているスプーンを投げた」時などは「ダメ!!」「いけない!」と「叱る」必要があります。
 我が家で「ルールやマナー」を身に付け(覚えて)、社会(幼稚園という集団)に送り出すのです。『我が家のことだから…』と考えないでください。例えばお母さんの頭を叩いたり、兄姉や弟妹に暴力的な行動を取ったり、暴言を吐いても『家の中の問題だから…』と許していると、集団(幼稚園内)で他の人に対して同じことをしてしまうかもしれません。
 ただ𠮟った後は「びっくりしたね」「ごめんね」と抱っこしてあげてください。泣きじゃくって「イヤだ」とか「嫌いだ」というかもしれません。その時はただ「怒ってごめん」と抱っこをしてください。少しして身を委ねてきたら「○○してはいけないことだから分かってね」と優しく諭しましょう。このように同意・共感を後からする場合もあります。
 2/5㈮に「足裏測定」交感神経(緊張感)と副交感神経(リラックス状態)の講演会。2/14㈰に子ども達の心をつかむことに関してはピカイチの磯谷(スッパマン)先生の講演会と2回の講演会があります。会場に来られない方用に動画も配信する予定です。我が子を大人になって社会に出した時に「役に立つ人間」にするための土台作りをしているのが幼児期です。参考になる話を多数聞いて我が子の成人後を想像してみてください。