未来に繋がる土台作り

 やわらかな春の日差しが温かく、心地よい季節となりました。園庭では子ども達が思い切り外遊びを楽しむ姿があり、春の訪れを全身で感じ伸び伸びと過ごしています。今年度も残りわずかとなり、春風がそっと子ども達の卒園や進級を後押ししてくれているように感じます。
 先月初め『アプローチカリキュラム』の公開保育を行いました。『幼児期の終わりまでに育って欲しい姿』を手がかりとしながら、幼児期にふさわしい生活を通して、この時期ならではの資質・能力を育み、小学校の生活や学びにつながるように工夫した園生活の中で過ごしています。幼児は『遊び』が『学び』です。年長の子ども達がどのように遊びを通して育っているのか、又、どのような関わり合いの姿があるのか等、遊びが学びに繋がる姿を来園してくださった市内の幼稚園・保育園・こども園・小学校の先生に見ていただきました。
  2月14日は、龍の子学園 龍の子幼稚園の創立43周年の記念講演会を行いました。創立記念日は無認可の龍の子を立ち上げから署名運動を経て、今の龍の子があることを職員や保護者の皆さまにも知っていただくために毎年行っています。そして、皆さまに感謝の気持ちを込めて記念講演では子育てについての教育講演会をさせていただいています。昨年度に引き続き、会場は磐田市民文化会館『かたりあ』にて開催しました。講師には聖隷クリストファー大学 教授 和久田佳代先生をお招きし『子どもの健康・体づくり〜発育発達過程に沿った運動あそびと生活〜』との演題でご講演いただきました。発育発達過程に沿った運動の大切さについて、生まれてから歩くまでの発達で『呼吸・寝返り・四つん這い・高這い』などは、身体活動をするための『姿勢』を作り上げる重要な過程であり、育っていない部分は戻ってでも育ててあげる必要があるとのこと。又、日々の生活の中で子どもと一緒にお料理をしたり洗濯物を畳んだり…そんなことも運動であるとおっしゃっていました。お話に出てきた『コアキッズ体操』は、人が立ち歩行するまでに必要な体の土台となる発育発達動作が満遍なく入っています。ご家庭でもお子さんと一緒に楽しくやってみてくださいね。そして先生がおっしゃられた『必ずすべての子どもは発達する!』は、本当にそうだと思います。最後に「何をするにも先ずは、早寝・早起き・朝ごはんで『健康』な体づくりから!健康でなければ何も始められませんよね」とお話しを締め括られました。
 あと半月程で、ひまわり組(年長)の子ども達が卒園の時を迎えます。先日、『卒園遠足』を行い、年長親子と袋井市にある小笠山総合運動公園(エコパ)に行ってきました。起伏のある散策道を親子で30分程歩き、親子で会話をしながら自然との触れ合いを楽しみました。散策道からビオトープ園のエリア間では、親子でクイズの答えを考える中、親子の会話も弾みました。昼食後、芝生の広場ではキャッチボールやサッカーなど持参したボールを使って親子で遊ぶ姿もあり、最後はほとんどの子がスタジアムの傾斜の芝生のエリアでピクニックシートを使って草ソリを思い切り楽しむ姿があり、親子のキラキラしたいい表情がたくさん見られました。卒園遠足を通して、子ども達の心と体の成長も十分感じることができました。
 今年も年長児とお家の方と6年後の自分に向けてメッセージを書いた紙を紙飛行機に折り、3月の保育参観後に想いを込めて園舎屋上から子ども達が飛ばす予定です。6年間、その紙飛行機は大切にタイムカプセルに保管しておきます。小学校卒業式後にまた龍の子幼稚園に集まり紙飛行機のメッセージを親子で読み返し思いを馳せていただけることを楽しみにしています。今年も6年前に卒園した親子から、続々と卒業式後の来園のご連絡をいただいています。卒園しても繋がっているなあと感慨深いものがあります。
 卒園の際には、ひまわり組の子ども達一人ひとりに『はかせ号』の授与があります。その子の3年間を振り返り命名します。作成にあたり、全職員が子ども達一人ひとりに思いを込めて書いてくれているので、個々のこれまでのエピソードや成長してきた姿が走馬灯のように思い出され『3年間の成長』も実感しています。卒園式当日、子ども達はどんな表情で『はかせ号』を受け取ってくれるかなあと、想像するだけで今からとてもワクワクします。
 来月には現年長の子ども達は小学校へ、現・年中児以下在園児は1つ大きいクラスに進級します。今月は学年総まとめの月となります。園での集団生活の中で先生や友達との関わり合いを通して、又、多様な遊びの経験を積み重ねて、昇龍の如くグングンと更なる成長を!と願っています。
 日頃より保護者や地域の皆様には園運営にご理解とご協力をいただき、感謝申し上げます。今年も職員一同、子ども達の笑顔と抱きしめた温もりからパワーをもらい、又、遊びを通しての成長していく子ども達の姿に感動をもらいました。次年度も『はじめに子どもありき』を念頭に、愛情いっぱいに子ども達一人ひとりを見つめ抱きしめ、子どもと共に多様な経験の中で成長していきたいと思います。新しい年度も皆様のご理解とご協力を得ながら、教育保育を行なっていきたいと思います。