……と ある山のふもとの一軒家です

久美子

久美子2

…と ある山のふもとの一軒家の古い家です。いろりの火のけむりにいぶされたまっくろな梁(はり)。廊下を歩くとミシミシと音がします。風が吹くとカタカタと窓ガラスが揺れます。今年の夏はエアコンもありませんでした。夜は蚊帳(かや)を吊り眠りました。当たり前のようにテレビをスイッチONする生活ですが、テレビはありません。孫たちは「まっくろくろすけ ととろのおうち」と呼びます。…休日は主人と二人そこで生活をしています。家のまわりの山に入り、竹を切り、いのししとの知恵比べにあっという間の休日が過ぎていく主人と家中の窓を開け、きれいな空気を入れ、埃だらけの建具をみがき、時間の経つのも忘れている私です。時々、もみじの葉っぱの音が聞こえます。そうそう…この間は近所の方、友人たちとお餅つきをしました。ゆっくりゆっくり時を遊び楽しんでいます。
久美子

 

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