7月/感動いっぱいの運動会

 開園以来初の6月開催の龍の子運動会は感動いっばいの運動会になりました。従来の入園・進級からの成果を披露する10月運動会を、入園進級して一段落した今から、学年末に向かっての目標を設定する大会と位置付けました。
 最初の種目かけっこでは、すみれ(年少)ちゃんは直線を全力で走る、れんげ(年中)さんは1周のコーナーを意識しながら走る、ひまわり(年長)さんは1周半を最後まで全力で走る、それぞれの目標がキチンと理解していただけたと思います。特にひまわりさんのスピード感のある走りは会場全体を圧倒しました。
かけっこのゴール直後に保護者に抱っこされている子ども達は笑顔いっぱいでした。そして我が子を抱きかかえる保護者の姿は「良く頑張ったね」と無条件に讃えているのがわかりました。
かけっこ以降はすべて保護者に同伴してもらったことも良かったと思っています。体育遊びの挑戦をし続けるのか、きりをつけるのかも保護者各々の判断に任せました。ずっと一緒に付添っているので(応援席から観ていた時より)できた時の感激が大きいと感じました。保護者だけでなく子ども達の喜びも例年以上だったと感じました。「親と子が同じ気持ちになる」ってステキだな。改めて気づかせてもらった気がします。
 体育遊び、すみれは三角積木(たーぼ)の駆け上り、走るスピードと傾斜のあるところを駆け上る平衡感覚が必要です。また上りきったところからはジャンプして降りることも難しいですね。れんげは高さ90㎝の四角積木に乗ることですが、腕で身体を支える力が必要になります。体力測定で行なった体支持(たいしじ)持続時間(2つのテーブルの間で身体を支える)の練習をすると腕力がメキメキつくようになります。ひまわりは鉄棒と三角積木でした。特に鉄棒は「足が宙に浮く」「天地が逆さまになる目線」を十分経験することが大切です。そのための練習手順を解説させていただきましたが、足抜き回りを抜かしてしまいました。前回りの前に足抜き回りが良いです。
運動能力を高めるためには「走る」ことと、「握る力」をつけることです。目標を持って運動することで、意欲が高められます。そして努力すれば良い結果が得られることを体感します。この経験はこれからの人生に大きなものになると思います。また苦しい時や辛い時に傍で支えてくれる両親の存在、そしてできた時に一緒に喜んでくれる両親の存在こそが、これからの長い人生において大切なものとなるはずです。
 また失敗してしまった時にどのように支えるかも大切です。4年前にフラフープ大会で3分間回すことができなかった優一朗くんのあゆみ(連絡帳)です。

 フラフープ大会お疲れ様でした。優一朗は『すーぱーUFO』を目指していましが、2分30秒で落としてしまい大号泣。わんわん大粒の涙を流す優一朗。よっぽど悔しかったんだと思います。優一朗の気持ちがとても伝わって来て、私も涙が出てしまいました。『すーぱーUFO』を取れなかったのは、本当に残念だったけれど、また親子で関われる時間が増えたと思ったら、それは「とても幸せな事」です。悔しい気持ちを感じた時、そこで腐らずにどう乗り越えるか…だと思います。これからこの子の人生の中で、何度もそういう場面に出会うでしょう。大袈裟かも知れませんが、とても大切な事を学ばせてもらっていると思うと一つひとつが良い経験です。
 フラフープ大会の帰りに優一朗とこんな話をしました。
母「今日は本当に良く頑張ったね。2分30秒回せてどんな気持ちだった」
優「悔しい気持ち。あと30秒で『すーぱーUFO』だったもん」
母「悔しい気持ちって、いっぱい練習した証拠だよね。じゃあどうしたら、優ちゃんの
悔しい気持ち無くなるのかな?」
優「すーぱーUFOとれたら」
母「じゃあ、どうすれば、すーぱーUFOとれるようになると思う」
優「んー、僕がたくさん練習して、ママが100回位応援してくれたら」
母「そうだね。じゃあ、ママも、もっと応援団頑張るね」と約束しました。

 お母さんは、ただ「頑張れ」ではなくて、いっぱい優ちゃんの想いを聞いてあげて、しかも優ちゃんに答えを出させているところがステキです。いつだって失敗や挫折はつきものです。そんな時に一緒に悔しがって共感し、次に前が向けるような言葉かけをすることは大切ですね。幼児期にこの経験をしていれば、これからの人生で失敗しても、壁にぶつかっても前を向いて歩いていけるようになるのでは、と思います。
 また親はつい「こうしなさい」と指示したり、先に答えを言いがちですよね。そうすると自分で考えたり、他人の指示がないと行動を起こせなくなってしまいます。自分でしっかり考えて答えを出せるようになる言葉かけも重要です。
 7月20日からは夏やすみになります。基本的な生活習慣を持続することはもちろんですが、運動だけでなく、お手伝いなども話し合って継続させてください。
 7月25日㈭/26日㈮/27日㈯の3日間「お父さん講座」を行ないます。お盆休みなど時間的な余裕のある夏やすみのお父さんの関わり方や夫婦で我が子のとらえ方を話すきっかけにしてもらえたらと思っています。90分間を予定していて基本的な内容は同じですが、15~20分程度を日によって変更します。25㈭は「就学」、26㈮は「幼児」、27㈯は「乳児」についての話をします。ただそこの部分は少ないので、ご都合のつく日に出席いただければ良いです。例年70%を超すお父さんに参加していただきありがたく思っています。
5月28日静岡県私立幼稚園振興協会の定時総会で「静岡県私学振興功労表彰」(県知事表彰)をいただきました。私立幼稚園協会の広報委員長・ホームページ委員長として広報誌やホームページ上での情報発信をしたことが評価されてのことです。他にもFmハロー!のラジオ放送や「子育て99(救急)ハンドブック」刊行、そしてトータルで1万件を超える子育て相談なども加味していただきました。磐田市村松教育長への報告が6月11日付の中日新聞にも掲載されました。良い子に育つように、そして保護者の子育てがしやすくなるようにこれからもアドバイスを続けてまいります。これまで龍の子に関わってくださった皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。