3月/新みちルーム建設

 2月14日龍の子学園創立記念講演会をアミューズ豊田ゆやホールで開催しました。第38回を数える今回は食育のエキスパートで磐田在住の吉田隆子先生に講演をお願いしました。吉田先生は「こどもの森」という支援センターを主宰されています。
 こどもの森の大切にしていることの紹介から始まりました。「美しいあいさつ」「お茶を飲む」「好奇心を育てる」「何でもチャレンジさせる」「ゆったりする」など、それぞれの解説がありました。「あいさつ」をすることは簡単ですが、美しいあいさつは、なかなかできていないですね。でも吉田先生のおっしゃるようにしっかりとしたあいさつができれば周囲にも可愛がられ、自身の宝になりますね。幼児期にこそ心がけたいことです。「静岡県に生まれてお茶を飲まないなんて…」私自身が日本茶大好きで職員には「おいしいお茶を入れよう」と常々言っていることなので嬉しかったです。好奇心旺盛で、何でもまず「やってみよう」こんな子ども達が増えることを望みます。そして現代はいつでも時間に追われてセカセカしているように感じます。たまにはのんびりゆったりも必要なことですね。
 たくましい子どもへの子育ては「外遊び大好きな子」「寝る子は育つ」「快食・快眠・快便」は龍の子の園方針とすべて合致することで正しいことが確認できました。
 食については家庭での関わり方だけでなく、園としてどのように指導していったら良いかを今一度考えなくては…、と思うこともありました。調理するのに五感が重要「見て」「音」「におい」「触って」「味」それぞれが「美しい」と感じられなくてはいけませんね。そしてクッキングの基本動作「混ぜる」「丸める」「振る」「つまむ」「ちぎる」「切る」「巻く」「包む」「ねじる」「洗う」などは保育活動で意識していかなければいけません。吉田先生には、多くのことを学ばせていただき感謝申し上げます。
 満3歳児(実質2歳児)クラスあさがお組が今年度より正式にスタートしました。母子関係をしっかり築く、生活習慣を定着させる、集団生活の基礎を作る…などを保育目標に活動しました。初年度で試行錯誤だったため日程の変更など保護者の皆さまにご迷惑をおかけすることもありましたが、子ども達の「心」はしっかり育ったと思います。先生の発問を集中して聞き、自身の判断で行動する力は2歳児とは思えないほどに成長しました。それらは母親との関わり(安心基地)がしっかりできているからだと感じます。そして母親が子どもへの関わり方を理解し、保育目的を分った上で、そこにたどりつく方法を実行すれば子どもは自然と成長をすることを改めて確認しました。
 来年度2019年度は今年度と同じ人員で「あさがお組」を運営しますが、再来年2020年度は2クラスに増員する計画を立てています。本来、幼稚園教育は3歳児入園の3年保育が理想的です。なぜなら3歳児になるまでは「母子分離不安」があるからです。母子関係をしっかり築いてから集団の場に入ることが望ましいです。幼稚園教育のように、園に着いたら(或いはスクールバスに乗ったら)、親と別れて園児一人で園生活を送るのは2歳児では無理があると思っています。あさがお組のように親子登園をして保育中も母親(保護者)が一緒にいて、心を安心させつつ、タオルの畳み方やトイレでの排せつを見守ってもらうのです。先生の指示や助言方法を見て、保護者も的確な言葉かけや援助の方法も理解するので無理なく生活習慣を身に付けることができます。また2~3歳にかけては集団遊びや友達遊びがしたくなる時期です。しかし自分中心の行動が多くトラブルも多発します。園生活でなければ、我が子が悪くなくても親同士の関係を崩さないために謝ったり、その場しのぎの対応になることも多いでしょう。でも一つひとつが子どもにとっては経験となり、座標軸となるのです。「昨日はダメだけど、今日は良い」とか「自分はダメだけど、あの子は良い」などは、とても不可解でしっかりした判断ができなくなってしまいます。集団生活を含め、多くの子ども達に3歳児入園前に経験してもらいたいことが多いのです。あさがお組は2歳児入園ではなく、3歳児入園をスムーズに送るために毎日実施している親子サークルであると考えていただきたいです。
 20数年前、2年保育(私立幼稚園は3歳児の保育の重要性が分っていたので3年保育がほとんどでしたが、公立幼稚園は2年保育が主流でした)が一気に3年保育へと移行しました。あの時は少子化傾向が進み、空き教室ができ、先生に余剰ができたのでそれを補うために公立園が3年保育に切り替えたのです。有識者は「あの時と同様にあと数年で幼稚園は2歳児からの4年保育が一気に進む」と予測しています。確かに保育園の待機児童は解消しませんが、幼稚園は定員を大きく下回っている状態です。このままでいけば4年保育が増えることは考えられます。しかし2歳児を3歳児と同様に幼稚園に入園させては母子分離不安から「心が壊れる子」が続出すると想像できます。
 2歳児の1年間は親子関係をより強くする活動を主体としないといけないと実感します。龍の子のあさがお組での取り組みや保育活動(教育ではなく保育)がモデルケースとして注目されることになるはずです。
現時点での構想ですが、2組構成にして、1組は16~18人、もう1組を早生まれの子を中心に6~8人程度とし、個の発達に合わせた保育を親子で取り組み、状況によっては子どもだけにしての保育活動も徐々に増やしていくことも計画しています。教室ですが現在の「みちルーム」と「多目的室」を使用する予定です。子育て支援室としてみちルーム西側(駐車場の一部)に新みちルームを建設(面積は現みちルームと同じ)します。工事期間は4~7月、8月に現みちルームの改修工事(トイレなど)を行ないます。その間、駐車場と正門付近に工事車両の出入りなどがあるかもしれません。
 なお、あさがお組が定員通りの入園者になると、すみれ(3歳児)入園に関しては1号35~38人(2号受け入れの状況で変わる場合有り)のところ11~14人程度になるかもしれません。
 園の行事写真を長年にわたり撮影してくださった「カメラの福忠」さんが今年度3月末を以って休業されることになりました。園児の仕草や表情など良い写真をたくさん撮り続けていただき感謝申し上げます。福忠さんには「入園式」「運動会」「夢の会」「卒園式」をお願いしていましたが、これからは「はいチーズ!」さんにそれらも移行する予定です。ご理解ください。